日本列島球体模型

球体模型全景
球体模型全景

24年前に旧建設省/国土地理院の施設内に、日本列島球体模型の制作に、1年半ほど茨城県筑波市の現場に通い携わりました。昨年、令和元年8月に20年ぶりに施設を訪れました。ひょんな事からお話をいただき日本列島球体模型のデザインを担当しました。最初は学校の先輩が、デザインコンペまで担当するはずだったのですが、途中で都合がつかずバトンタッチで引き受けたお話です。

球体模型2
地球の丸みを感じる

デザインは日本列島各地の標高差をつけたブロックやポールをたてる案など、半年間ほど思考錯誤して、最終的にコンペをやり、陶板に20万分の1地勢図を焼き付ける案が採用されました。ただ、陶板に精密な地勢図を焼き付ける事が至難でした。陶板は焼くと膨張し、冷えると伸縮します。結果、数百枚近くの地勢図をすべて同一に焼き上げる事出来ません。そこで、いろいろ調べて、陶板に地勢図を熱転写させる事が出来ることが分かりました。陶板は石川県だったと思いますが、焼いていただきました。その陶板を熱転写できる工場に持ち込み完成させたと記憶しています。

球体模型3
20万分の1地勢図

完成した陶板を現場に持ち込み、陶板の地勢図を1枚1枚並べて確認しているときに、また大きな問題が起りました。直径21.5m 高さ1.8m ドーム状の下地に、正方形の陶板をそのまま貼付けると、球体にならないんですね。1枚1枚が微妙な台形でないと球体にならないんです。そこで、現場に陶板カッターをもちこみ微妙な台形にカットしていき球体に貼付け完成しました

資料館
資料館内部

当時、私は表面デザインだけで、勉強もしましたが建築の事はほぼ素人でした。この場を借りまして、当時、お世話になりました国土地理院の皆さん、建築監督、現場の職人さんありがとうございました。

■国土交通省国土地理院 〒305-0811茨城県つくば市北郷1番 電話:029-864-1111(代表)FAX:029-864-1807

※2019年8月 国土交通省 国土地理院「地球ひろば」訪問記