何故?が理解できました

リニア中央新幹線

日本自然保護協会 HPより

東京・品川から名古屋まで40分、さらに大阪まで67分で行く事ができる夢の新幹線です。この開発は1962年に始まり、東海道新幹線が開通する2年前から始まって60年が経っています。そして2027年開通は無理な雲行きになっているようです。それは何故か?静岡県が着工を認めない区間があり膠着状態になっている現実があります。JR東海は安全性や快適性を追求する為、累計で地球105周分の走行試験をやり、現在も1日2000Kmの走行試験をやっています。しかし静岡県が反対している工区は8.9Kmしかありませんが、この工区の南アルプス直下のトンネル区間に静岡県知事が許可を出していません。大井川上流の河川占用許可が必要な為、工事が進められないそうです。では何故、知事は反対しているのでしょうか。

過去に6億トンもの地下水が

大井川鉄道

このトンネル工事が大井川河川の水量や周辺の生態系に悪影響が出る為、知事は許可を出せないそうです。大井川流域には10の市町があり、62万人の生活を支える大きな河川であり、特産品である銘茶などもあります。そしてさらに静岡県がこだわるには訳があります。1世紀近く前に当時の国鉄が東海道線の熱海・函南間の丹那トンネル工事をやった時に6億トンもの地下水が流れ出たそうです。これが地元の飲料水や水田に多大な影響を及ぼし、当時、函南町で盛んだった「わさび栽培」が現在も出来なくなった事などが挙げられるそうです。知事は2021年6月の知事選で「命の水を守る」を公約に、4選を果たしましたから容易な事ではありません。さらに静岡県にはリニアの駅も新幹線のぞみの駅もなくメリットが何一つありません。

▪️出典・引用/TBS ラジオ 森本 毅郎「スタンバイ」/ 讀賣新聞2023年2月17日(金)朝刊