自分の力で肉を獲る

10歳から学ぶ 狩猟の世界

無人島に漂着しても、この本さえ読んでおけば肉にはこまらない!

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本のタイトルからとても児童書には思えませんが、スーパーや精肉店などから日々、お肉を買ったいる自分にはとても新鮮な驚きがありました。著者の千松さんは、子供のときからとても動物好きで、椋鳩十(むくはとじゅう)の「動物もの」や「ロビンソン・クルーソー」「15少年漂流記」などの無人島ものや漂流記ものをよく読んでいて、そこから人の生活に必要とされている「衣・食・住」のうち「食」の確保に興味を持ったそうです。そして、自分の力で獲物を捕り、肉を手にいれることがすごいことだという事。はじめて獲れたシカと向き合った時のめちゃくちゃドキドキした事、このシカの肉を友人たちと食べた時、猟で疲れていて味もよくわからなかったけど、とにかく嬉しかった事をよく覚えていて、このめちゃくちゃドキドキした事を小学生だった自分に伝えたら、大喜びするんじゃないかと、思った事がこの本を書くキッカケと本文にも書かれています。

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山のことや、そこに住む動物こと、狩猟とは、人と動物との共存などとてもわかりやすく、丁寧に書かれています。普段、パソコンやスマホなどのゲームに夢中な小学生に読んでほしいですね。もちろん大人でも読みごたえありますよ。

最後に「ぼくはいま、週に3~4日、地元の運送会社で働いていて、それ以外の日は狩猟や山菜採り、川魚捕りなどをして暮らしている。山のそばの自宅ではニワトリやミツバチも飼っている。」(本文中より)

著 者 千松 信也
1974年兵庫県生まれ。京都大学文学部在籍中に狩猟免許を取得。先輩猟師から伝統のくくりわな猟、むそう網猟を学び、運送会社で働きながら京都の山で猟をおこなっている。鉄砲は持っていない。2児の父で、息子たちと一緒に山に入ることも多い。著書に「ぼくは猟師になった」(新潮文庫)「けもの道の歩き方 猟師が見つめる日本の自然」(リトルモア)


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