ヒトラーの贋札

ヒトラー偽札1

第二次世界大戦終結直後のモナコ、モンテカルロ。一流ホテルにボロボロの粗末なスーツ姿でフラリと現れた男。その手には札束の入ったブリーフケース。カジ ノで出会い、一夜を共にした令嬢(ドロレス・チャップリン)は、翌朝、その男の腕に強制収容所の囚人番号を示す刺青を見つけた……。 

ヒトラー偽札2

1936年、ドイツ、ベルリン。世界的な贋作師サリーことサロモン・ソロヴィッチ(カール・マルコヴィクス)は「商売」に忙しい。その仕事とは、ドイツ国 内での差別や虐待から逃げ出そうというユダヤ人同胞相手に偽造パスポートやビザを売ること。類稀なる芸術的な才能と用心深さ、そして強欲さで暴利を貪って いたサリーも、そろそろ潮時と考え、その夜逃げ出すはずだった。 

ところが、最後の顧客となった美女アグライヤ(マリー・ボイマー)の誘惑に負けて脱出の機会を逃したサリーは、犯罪捜査局の捜査官、ヘルツォーク(デーヴィト・シュトリゾフ)に捕らわれてしまう。 

マウトハウゼン収容所に送られたサリーは苛酷な毎日に耐え忍ぶ。最初は犯罪者が送られる「普通の刑務所」だと思っていたが、だんだんそうではない事に気付くサリー。ユダヤ人を対象にしたホロコーストが始まっていたのだ。

ヒトラー偽札3

やがて絵画の才能を認められたサリーは、親衛隊将校の肖像画やプロパガンダ壁画を描く事で生き延びる。そして第二次大戦末期、彼は数奇な運命の待つザクセ ンハウゼン収容所に送り込まれてきた。ここには他にも印刷技師ブルガー(アウグスト・ディール)、美学生のコーリャ(セバスチャ

ン・アーツェンドスキ) ら、特殊な技術や才能を持つユダヤ系の職人たちが集められていた。生命の保証と他の囚人よりマシな待遇と引き換えに彼らに課されたのは“完璧なポンド札の 偽造”だった。

監督・脚本:ステファン・ルツォヴィッキー

出演:カール・マルコヴィクス、アウグスト・ディール、デーヴィト・シュトリーゾフ、マルティン・ブラムバッハ、セバスチャン・アーツェンドスキ、ドロレス・チャップリン 

2006年/ドイツ=オーストリア合作/96分

原題『DIE FALSCHER』/英題『THE COUNTERFEITERS』

原作『ヒトラーの贋札/悪魔の工房』アドルフ・ブルガー著(朝日新聞社刊)

配給:クロックワークス

©2006 Aichholzer Film & magnolia Firmproduction Alle Rechte vorbehalten 

※2008年1月付けの情報です。

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