筋肉は水分貯蔵庫

脱水・熱中症に赤信号

青空

コロナ禍の生活様式が1年半を迎えようとしています。3蜜を避けた移動や大人数での運動なども制限されています。そんな毎日に、個人でやるトレーニング動画や器具が人気だそうです。そんな中で気になる記事を見つけました。人間の体は成人では約60~65%が水分で満たされており、その内筋肉組織に43.3%の水分がある一方で、脂肪組織には15%しかないそうです。コロナ禍で活動制限されている期間が長くなると、体重が変わらない人も増えた人も、水分の貯蔵庫である筋力の低下が進み、水分をあまり含まない脂肪が増えた状態になっている可能性があります。これが脱水・熱中症にかかるリスクが増す要因だそうです。

夏本番に向けて暑熱馴化を!

メッツ表

暑熱馴化とは、日本の夏のような高温多湿の環境で、体温調節を行う機能である汗を上手にかけるように、身体を暑さに馴らしておく準備のことだそうです。方法としては、「やや暑い環境」で、「ややきつい」運動をおこない1日30分を2週間程度行うと、身体が暑さに慣れてくると言われています。運動の強度は、18歳から64歳の大人で、3メッツ(METs)以上、息が弾み汗をかく程度の運動が目安です。お薦めは「ラジオ体操」です。誰でもすぐに始められるラジオ体操は、しっかりやればかなりの運動になります。ちなみに第一は、4.0メッツ、第二が4.5メッツとされています。天気の良い日は、屋外で行うと日差しを浴びることで、より暑熱馴化に役立つと考えられます。 メッツ(METs)とは、運動強度の単位で、安静時(横になったり座って楽にしている状態)を1として、その何倍をエネルギー消費するかで活動の強度を示したものです。運動の後は水分補給と筋肉の源であるタンパク質を多く含む食事や補給するようにしましょう。

「3、3、30」のサンミツが基本

3メッツ

今年は、早めにそして少し強めのエクササイズ(ラジオ体操等)で暑熱馴化を行い、暑さに負けない身体を作って、脱水症・熱中症リスクを軽減させましょう。また、ロコモティブシンドローム(運動や移動機能の低下)の予防として、強度3メッツ以上の運動を30分間、週に2回程度行う運動習慣が推奨されています。週に2回というのを少しアレンジして、3日に1回とすれば、3メッツ、3日、30分と3が3つ並びます。まさに「サンミツ」です。是非、この運動のサンミツ:「3メッツ、3日に1回、30分」を習慣にしましょう。

出典・引用/教えて!「かくれ脱水」委員会 富和清訓(とみわきよのり)先生
     厚生労働省 健康づくりのための身体活動基準2013
     環境省 熱中症環境保健マニュアル2018